Adobe CS2の無償(ではない)ダウンロードの騒動について
その他2013年1月9日
某巨大掲示板を筆頭にはてブ、Facebook、Twitterなどで爆発的に拡散されたAdobeのCS2シリーズの無償(ではない)ダウンロードの情報について、経緯やその実態をまとめました。
経緯
2013年1月8日-未明
- Adobe、CS2のアクティベーションサーバーを停止
- Adobe、アクティベーションをスキップしたインストーラ配布ページ(シリアル付き)を公開
- 各メディアにて「無償でCS2が入手可能!」と情報が拡散
- ユーザー、「無料だ!みんな急げ!」と祭り状態に
- アクセスが集中し、メンテナンスページに変更される
2013年1月8日-早朝~正午
- ダウンロードページが復旧される
- Adobe公式フォーラムにて「AdobeはCS2を無償提供していない」とコメント
科学者Dov Isaacsによると「AdobeはCS2のアクティベーションサーバを停止するにあたり、特別なシリアルを製品ダウンロードページに提供した」 - ユーザー、各メディア混乱
2013年1月8日-13時半頃
- Adobe、1/8の午後1時半頃にダウンロードページにて正式にコメントを発表(以下に抜粋)
- ユーザー、「なんだ、ライセンス保持者対象のみか~。でもこれ誰でもダウンロードできちゃうよね?」
2012年12月13日、アドビ システムズでは技術的な理由によりAdobe® Creative Suite® 2 製品およびAdobe® Acrobat® 7のアクティベーションサーバーを停止いたしました。
これらの製品は、7年以上前にリリースされたものであり、現在多くの方に利用されている主要なオペレーティングシステムでは動作いたしません。 しかしながら、旧来のオペレーティングシステム上で継続してCS2製品およびAcrobat 7を利用されるお客様に引き続きご利用いただけるよう、CS2およびAcrobat 7の正規ライセンスを所有されているお客様を対象として、アクティベーションサーバーを介在しないソフトウェアをアドビ システムズより直接提供させて頂いています。
弊社が不特定多数の皆様に対して無償でソフトウェアを提供することが目的ではございません。本措置は既存の正規ライセンスを所有されているお客様の利便性を損なわないための顧客支援の一環の措置であり、正規ライセンスを所有されていないお客様のご利用はライセンス違反となり得る旨、ご理解の上ご利用いただけますようお願い申し上げます。
結局何のためのページなのか
公式コメントでもあるように、このダウンロードページは「CS2の正規ライセンス保持ユーザ」のためです。
アクティベーションサーバー指停止したための救済的な措置であり、ライセンスを持っていないユーザを対象としたものではない、というところに注意が必要です。
ライセンスを持たないユーザがダウンロードするとどうなる?
PCで動作環境を満たしていれば、ライセンスを持たないユーザもダウンロード、インストール可能です。
事実上、誰でも無料で使用することができてしまいます。
ですが、個人で使うならともかく業務用やオフィスでのインストールは控えた方が賢明と言えるでしょう。ある日突然悲しいことになってしまう可能性はゼロではありません。
まとめ
「無償化」と「無料で使えてしまう」は大きな違いがあります。
例を挙げると野菜の無人販売所がありますが、あれは「有償で販売」しているものの「無料で持ち逃げ」もできてしまいます。今回のCS2の騒動は言うまでもなく後者に該当するでしょう。
そもそもがCS2はもう8年前の化石となりつつあるソフトです。これから勉強される方や学生の方であれば困ることはないかもしれませんが、やはり最前線のプロフェッショナルとしてAdobe製品を使うのであれば、少なくともCS5以上を使うのが良いような気もします。
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